Case Study

アジャイル開発のベストプラクティスを整備し、自社サービス価値の向上を目指す

ユニアデックス株式会社

導入したサービス
キーワード
  • アジャイル
  • DX
  • DevOps

技術戦略を推進するためのIT技術ナレッジマネジメントシステムを構築、
併せてAXLabサービス群を活用してアジャイル開発のベストプラクティスを整備し、
自社サービス価値の向上を目指す

現在のクラウドファーストの時代、ユニアデックスはICTベンダーに求められる取り組みとして、アジャイル開発の体制強化が重要だと考えていた。その際に採用したのが、アジャイル開発の社内標準の整備から人材育成、ツール導入までをワンストップで支援するBIPROGY株式会社のAXLabサービス群だ。

プロジェクトの狙い

アジャイル開発プロジェクトのベストプラクティスを整備したい

ユニアデックスは2021年、更なる市場拡大や高付加価値を提供するためのビジネス戦略構築・商材開発に向けて、技術戦略施策の整備を開始した。その実現に向けた取り組みの一環として計画したのが、全社向けIT技術ナレッジマネジメントシステム「テクノロジーナレッジマネジメントシステム」(以下、TKMシステム)を作り上げることだ。

TKMシステムは、社内の技術情報と社内外のメタ情報を集約し、多様なビュー表示で提供するシステムで、技術戦略や事業戦略の立案時などにインサイトを提供するものだ。
そして今回、開発手法としてユニアデックスが選択したのがアジャイル開発だった。その狙いについて、全社の技術戦略やシステム化の立案を担う技術戦略統括部 技術戦略策定室の大岩丈泰氏は、次のように説明する。

「従来のウォーターフォール開発だけで、変化の激しいビジネス環境に対応するシステムを構築していくことは非常に困難です。そこで着目したのが、柔軟かつ俊敏に精度の高いシステムを構築することができるアジャイル開発でした」(大岩氏)。さらにTKMプロジェクトへアジャイル開発を適用した背景には、TKMシステムの構築そのものに加えもう一つの狙いがあった。

それがTKMプロジェクトを通して従来のアジャイル開発体制を見直すことだ。同社では既に様々な部署でアジャイル開発を実践していたものの、個別に試行錯誤しながら進めている状態が続いていた。そこで同社は、自社サービスの更なる高品質化・サービス提供の高速化のためには全社的な品質管理標準の確立が重要だと考え、TKMプロジェクトを通して“社内のベストプラクティス”となるアジャイル開発の社内標準プロセスを確立することを目標に掲げたのである。

導入背景

AXLabサービスのアジャイル開発の豊富な知見とノウハウを高く評価

そして開発プロジェクトを進める上で同社が採用したのが、BIPROGYの提供する「AXLabサービス」だった。プロジェクト参加者がアジャイル開発のマインドを体得しながら開発を進めることを支援するもので、ユーザ企業のニーズに対応する5つのサービスメニューを取り揃えている。

アジャイル開発に必要な準備を支援する「AXLabLaunch」、プロジェクトチームがアジャイル開発のマインドとプロセスを獲得することを支援する「AXLab Coaching」、開発メンバーとして参画し、アジャイル開発に適した技術とプロセスの適用を支援する「AXLab Development」、各種ツールの導入を支援する「AXLab Tools導入サービス」、実際のツールを提供する「AXLab Tools」だ。
このうち同社が採用したのが、AXLab Coaching、AXLab Tools導入サービス、AXLab Toolsの3つのサービスで、この点についてテクノロジーセンター 基盤サービス部 一課 課長の及川敬氏は、次のように説明する。

「今後社内でアジャイル開発を広げていきたいという強い思いがあり、今回のプロジェクトは極力自分たちだけで実施したいと考えていました。プロジェクトチーム内には2名の経験者がいたので、BIPROGYには、開発マインドとプロセスの獲得支援、ツールの提供と導入支援を依頼しました。AXLabサービスはBIPROGYが自社の経験をベースにメニュー化したものなので、同社の豊富な知見とノウハウが盛り込まれています。まさに我々のニーズに合致したサービスでした」(及川氏)

導入効果

AXLabサービスで社内のアジャイル開発体制確立を実現

通常ウォーターフォール開発では、プロジェクト全体を統括するプロジェクトマネジャー(PM)を設置するが、アジャイル開発では、システムの方向性や機能を決定するプロダクトオーナーと、開発全体を効率よく進めるファシリテーター的な立場で開発チームをサポートするスクラムマスターが協力し、随時調整を行いながらプロジェクトを進める形を採る。今回のプロジェクトでは、技術戦略統括部の大岩氏がプロダクトオーナー、テクノロジーセンターの及川氏がスクラムマスターの役割を担い、さらにBIPROGYからコーチングを行うアジャイルコーチが加わった。まずAXLabCoachingの導入効果として、及川氏は次のように説明する。

「アジャイル開発の経験や実績が少ないチームで開発を進める場合、往々にしてメンバー個々の解釈の違いによって、プロジェクトの方向性がブレてしまいがちです。今回BIPROGYのアジャイルコーチは、その時々の状況を見て的確なアドバイスや明確な指針を提示してくれたので、チームメンバーが主体的に開発を進めるための大きな支えになりました。プロジェクトを通してアジャイル開発の社内標準を作成し、今後社内でアジャイル開発をリードするメンバーの育成にも繋がったと考えています。社内に経験者がいないユーザ企業様には、立ち上げ時だけでもAXLab Coachingをご利用されることをお薦めしたいですね」(及川氏)。

またユニアデックスは開発作業を効率的に進めるために、「AXLab Tools」として、豪Atlassian社のプロジェクト管理ツール「Jira Software」とコラボレーションツール「Confluence」を採用し、併せて「AXLab Tools導入サービス」も採用した。

「開発作業を効率的に進めるためには、各種支援ツールの活用が有効ですが、機能や使い方をマスターするのは大変です。今回AXLab Toolsと併せてAXLab Tools導入サービスを採用したことで、プロジェクトに適したツールの使い方などをBIPROGYに相談することができました。次回以降は自分たちで使い方の工夫ができそうです」(及川氏)。

今後の展望

DevOpsのノウハウも活用し、サービス価値の最大化と更なる市場拡大を目指す

実際のTKMシステム構築プロジェクトは、2021年初頭から始まり、同年10月にファーストリリースを迎えた。各部署でユースケースの説明会を実施し、既に活用も進んでいるという。

今後の取り組みについて、大岩氏は今回のプロジェクトを通して整備したアジャイル開発体制と体得したDevOpsのコツを拠り所に、自社が提供するサービス価値のさらなる向上を目指していきたいと強調する。

「今の時代に自社サービスの価値をより高めていくためには、開発チームと運用チームが柔軟に連携しながら、サービスを支えるICTシステムを開発・運用していくことが必要不可欠です。今回開発手法としてアジャイル開発を採用しましたが、スプリントと呼ばれる短い開発フェーズを繰り返し回していく過程では、運用チームの意見や要望も反映することでシステムの品質向上に繋げることができました。今後は体得したDevOpsのノウハウも、新たにアジャイル開発に臨む開発チームに展開していきたいと考えています」(大岩氏)。
今回のプロジェクトを通じて、ユニアデックスはアジャイル開発の社内標準プロセスだけでなく、DevOpsのノウハウまでを獲得することができた。

これにより開発スピードやシステム品質のさらなる向上を期待することができる。「これからもサービス価値の最大化と市場拡大に繋がるシステムの開発や様々な取り組みに挑戦していきたいと思います。その際には改めてBIPROGYに心強い支援を期待しています」(及川氏)

プロフィール

及川 敬氏

ユニアデックス株式会社
テクノロジーセンター基盤サービス部 一課 課長

大岩 丈泰氏

ユニアデックス株式会社
技術戦略統括部  技術戦略策定室